マー君へ
あなたを初めて見たのは、ある公園でした。
メンバーから「とても懐っこい猫さんがいるよ」
「小学生に、ご飯をもらっているよ」と聞いて、
わくわくしながら車を走らせました。
その日は公園の草刈りの日で、公園には沢山の人がいました。
あなたは、沢山の人に声をかけていましたね。
「なんて懐っこい子なのだろう」とびっくりしました。
草刈りの時間が終わるのを待ち、
再度、公園へ行くとあなたはいませんでした。
近所の親子の方から、
「マー君は、近くの人にもらわれていったよ」と言われました。
小学生が一生懸命、里親さんを探してくれていたようです。
すぐ近くの方が、名乗り出てくれたようですね。
小学生たちが作ったチラシです。
「室内飼いでなければ戻ってくるだろうな〜」
という私の予想通り、あなたは戻ってきました。
私は、少し嬉しくなりました。
だって全くお話もしないまま、お別れしてしまったのですから。
私がその後で会った時に公園には、
小学生が作ったあなたのおウチと餌入れがありました。
あなたは、沢山の人に愛されていましたね。
でもお腹が空いているみたいで、あなたは鳴いていました。
私があげたご飯を、美味しそうに食べてくれました。
お腹が空いていたんだね。
あなたは「マー君」と呼ぶと、私の後をついてきてくれましたね。
人間の言葉を理解していたんですね。
私は思いました。
「今はお家の子にはしてあげられないけど、お家の中に入れるまで、
外猫ちゃんでいられないかしら?寒いけど、もう少し頑張って!」
あなたには、春が来ていました。
電柱や車のタイヤ、お家の壁に、沢山のマーキングをしていましたね。
これをよく思わない人が多いのです。
だから、去勢手術という選択をとることにしました。
病院へ行く時に気付きましたが、あなたは車が得意ではないですね。
辛い思いをさせてごめんなさい。
残念ながら、あなたには「エイズキャリア」という結果が出てしまいました。
それを知って、とてもショックでした。
うちにも、同じくエイズキャリアの子がいて、頑張っている子がいるから…
発症してしまうと、とても辛い病気です。
エイズキャリアとなると、当時はどうしてもスペースがなく、
お家に入れてあげられませんでした。
だからメンバーさん一家が、お外にあなたのためにお家を作りました。
とても素敵なお家でした。
あなたは気に入って、毎日いましたね。
あなたは、時々、お外からメンバーさんのお家の中を見ていましたね。
それを聞いて、「なんとかできないか…」
毎日、あなたの事を考えていました。
ある日、あなたは誰かに噛まれ、お尻に怪我をしてしまいました。
怪我を見ましたが、一度ではなかったんですね。
そうなる前に保護するべきだったのに、ごめんなさい。
あなたをお家に迎えた後も、ケージ飼いという選択肢になってしまいました。
外を自由に歩いていた、あなたには、辛かったかもしれません。
一通りの検査をするまでは、我慢してももらうしかなかったのです。
でも、あなたは、全く文句を言いませんでしたね。
そしてあなたには、同じエイズキャリアである
「くぅちゃん」というお友達ができました。
あなたは、警戒することなくその子と仲良しになってくれましたね。
私はそれを聞いて、とても嬉しかったです。
私があなたの家に遊びに行ったとき、コーヒーを片手に、
くぅちゃんと一緒に走りまわっている姿を見て、とても嬉しくなりました。
それに、何年もおウチの子だったように、お外に行きたがらなかったですね。
パソコンの横で、まるで、ぬいぐるみようにジッとしていたり…
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